「巡音ルカV4X」紹介 第4回:全6種類のデータベース構成について

前々回の「Voice Color」仕様の紹介、前回の「Voice Release」「子音反復」仕様の紹介に引き続いて、今回は新しくなったデータベース(DB)の構成についてご紹介したいと思います。

昨年、「巡音ルカV4X」発表時のデータベースは、日本語×2、英語×2という風にご紹介させて頂いておりましたが、その後、表現力の増強を考えて、日本語のデータベースを2種類から4種類に増やし、英語2種類と合わせて巡音ルカV4Xのデータベースは合計6種類になりました

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経緯としては、開発の中で、ヤマハさんのご厚意により、E.V.E.C.設定の有りの特殊なVSQXで、E.V.E.C.無しのDBを再生しても、途切れること無く音が鳴る設定をして頂きました。これによって、E.V.E.C.有りのDBと、E.V.E.C.無しのDBをクロスシンセシスさせることが可能になったのです。

E.V.E.C.有りのDBと、E.V.E.C.無しのDBをクロスシンセシスするメリットとしては、Voice Colorを指定した箇所(Voice Colorで声色が変わっている部分)と、標準の声のブレンドできるようになる事です。下記、いくつか実例を挙げさせていただきます。

 

①ノートの前半だけ、50%くらい「POWER 2」にクロスさせて、アタック感を作る
②ノートの前半だけ、60%くらい「DARK」から徐々にクロスさせて、口の開き方を遅くする
(※「DARK」=口を閉じ気味の暗い発音)
③ノートの後半だけ、70%くらい「CUTE」にクロスさせて、母音の終わり方に癖をつける
④ロングトーンの最中、声質を徐々に「Whisper」へ変化させ「BREATH LONG」で息を吐いて終了

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※クロスシンセシスを使用し、声質を標準の寄りの声色から「Whisper」側へ変化させている状態

 

Voice Colorは特性上「一つのノートの声色を変更する」形になりますが、クロスシンセシスを組み合わせると、ノートの途中で段階的に声色を変化させることが可能になります。

1曲の中で、沢山のVoice Colorを詰め込むと、その分、声色が節操なくなって歌が不安定になるリスクがあるのですが、クロスシンセシスを一緒に使えば、標準の声に、適度にVoice Colorの成分を混ぜる事ができ、自然な声が作りやすくなります。開発として、こういったメリットを考えて日本語データベースを増やすことにした訳です。

・最終的なデータベース構成

日本語データベース
・HARD E.V.E.C.あり(Voice Color9種類、Voice Release2種類を収録)
・HARD E.V.E.C.なし(標準声色に対してのVoice Releaseのみ収録)
・SOFT E.V.E.C.あり(Voice Color9種類、Voice Release2種類を収録)
・SOFT E.V.E.C.なし(標準声色に対してのVoice Releaseのみ収録)

英語データベース
・STRAIGHT
・SOFT

次回は、これまで余りお話が出来ていなかった「英語データベース」をご紹介させて頂きます。どうぞよろしくお願い致します。

     

巡音ルカV4X企画制作担当:佐々木 渉(wat)