SONICWIRE

[NAMM2007情報]オフレコ話は話せませんが、私的感想を

2007年1月25日 20:09 by wat

NAMM2007.gif

本来、取り上げられないオフレコ情報や小話も聞いた上での、NAMM2007の私的感想。


まず、デベロッパー間で話題にのぼる事が多かったとも言われる、各社が独自に開発したサンプラーエンジンの話。

一昔前であれば、KOMPAKT、KONTAKT、HALionなどの旧来の定番サンプラーエンジンを使用したものが多かったのですが、最近では、KONTAKT PLAYER2が定番化の様子を見せるほかに(現在本エンジンを搭載した製品を開発中または検討中のメーカーが、幾つか有るようです)、VSLなどに続き、YellowTools、EastWest、Garritanなど各メーカーがこぞって自分達の理想的な新サンプルプレイバックエンジンを開発したという発表は、一つの風潮とも言え、興味深いものがあります。

また、エフェクト部分のエンジンをプラグイン・メーカーからライセンスして組み込む、同様にタイムストレッチ・エンジンを組み込むなどでハイブリッドな製品も増えていますね。

これらの背景では、ライブラリのサウンドイメージを増幅するような、他とは違う洗練されたGUIデザインや、より使い易く、視覚性/認識性に優れたインターフェイスの重要性が考えられているのでしょう。また、ライブラリ部分の制作と、ソフトウェアのライセンスの費用などの絶妙のバランス関係も有るかと思います。

後は、イメージ戦略の面。いわゆるプロダクション/シリーズ毎のサウンドのブランド化や差別化、コンセプトの明確化、制作者であるアーティストや、音楽ジャンルのイメージを持った総合音源の開発など、溢れかえるサウンドや音源の中で、あのメーカーの音が好き、あのメーカーの音は馴染み易いなどのイメージが、より一層重要になって来ているのでしょう。(逆にそう言った確固としたイメージの有る、ブレないメーカーが力を付けて来ているようです)

最後にもう一つ、”売り方”をいかに現代的なニーズに最適化させていくかと言う事が、大きな命題のようです(それこそ店頭での露出度アップへのアプローチから、WEBを利用したものまで様々な実験的段階のプランが聞こえてきます)。

昨年までの(今回のNAMMまでの)ソフト音源の風潮と今回のNAMMの新製品を考えても、ただ単に大容量化するだけではインパクトが若干薄くなってきている部分や、軽量で使いやすい音源もかなり人気が有る状況、世界的キャンペーンなどでの価格の変動、複数の製品をバンドルしたBOX版の増加などが見て取れます。

それらを踏まえると、ソフト音源を取り巻く”開発”から”売り方”までの状況は、荒々しい成長期を迎えているのかも知れません。

さて次は、今回NAMMに参加しなかった、ヨーロッパ勢のデベロッパーも多く参加すると言われている、Musikmesse。こちらも注目ですね。

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