SONICWIRE

EDM定番シンセ音源『SERUM(セラム)』を使いこなすための、“8つ”のヒント。

2017年3月21日 20:40 by Takamichi Koizumi

EDMをはじめとしたクラブトラック制作で強烈な威力を発揮し、必携シンセサイザーと言われるまでに急成長した『SERUM』。SONICWIREでも、シンセ音源としては異例の大ヒットとなっています。そんなSERUMの優れた点、使いこなしのポイントをご紹介。本日は、制作元XFER RECORDSのスティーブによる【“8つ”のヒント編】!


COMPUTER MUSIC / April 2017

SERUMの制作者であるスティーブ・デューダより、SERUMを知り尽くしているからこそ提供できる使いこなしのヒントをお届けします。今やSERUMの良いTipsやリソースがたくさん世の中には出回っていますが、今回はあまり知られていない機能をご紹介します。(要最新版へのアップデート)

 
モジュレーションの深さを素早く変更する

モジュレーションを設定済みのノブの、変化の範囲を調整する場合は【Alt+ドラッグ】を使うのが一番早い方法です。この方法を使えば、いちいちノブの左上に表示される“小さな円”にマウスをピッタリあわせなくてもモジュレーションの深さを調整でき、便利です。

 
LFOやENVの設定を一瞬でコピー

LFOやENVのタイトル(LFO1、LFO2、ENV1など)を、【Alt+ドラックしてほかのエンベロープへドロップ】すると、設定を丸ごとコピーできます。これは、LFOはLFO内のみで、ENVはENV内のみで有効です。例えば、LFO1の設定をMODEやRATE、RISEなどのパラメータなどもすべて含めてLFO2に丸ごとコピーしたいときに便利です。

 
バーチャル・キーボードの打鍵状態を維持する

ある1つのノートを演奏したり連打しながら、各種パラメータを変更してサウンドの変化を確認することは良くありますよね?SERUMの下部にあるバーチャル・キーボードを【Shift+Altを押しながらクリック】すると、打鍵状態を維持(1つのノートだけ)できます。特にMIDIキーボードが無いときのサウンドのプレビューに役立つでしょう。

 
ノブのバイポーラ/ユニポーラを瞬時にスイッチ

モジュレーションがアサインされているノブの上で、【Shift+Altを押しながらクリック】をすると、ユニポーラとバイポーラを瞬時に切り替えることができます。この設定はMatrixタブでも行えますが、一旦ショートカットを覚えてしまえば、もうこの方法以外で切り替えようと思わなくなるでしょう。

 
モジュレーション値を半音/セミトーンで指定

モジュレーションの深さと範囲を特定のセミトーンの範囲に設定できます。例えば、カラ(Init)のプリセットの状態でMATRIXタブを開いて、SOURCEに「LFO1」を、「DESTINATION」に「Global>>Mast.Tun」を設定します。そしてAMOUNTスライダーでダブルクリックして表示されるテキスト入力欄に「12st」(12セミトーン/半音:1オクターブのこと)と入力すると、SERUMはその数字を解釈して、適切なパーセンテージに設定されます。

 
無料チュートリアル(英語)
SERUMを使い始めたばかりのユーザーには、スティーブとIcon Collectiveとで制作した無料チュートリアルを見ることをお勧めします。内容は英語ですが、見ているだけでも雰囲気がつかめるはずです!無料チュートリアル »

 
ベースはエース

ワンショット・ベース・サンプルは、ウェーブテーブルの素晴らしい素材になります。もし、ワンショット・ベース・サンプルを持っていたら、それを使ってウェーブテーブルを作成してみることをオススメします。ワンショット・ベース・サンプルのWAVファイルをオシレーター上にインポートして、その時に表示される上から三番目の項目「import: constant framesize (pitch avg)」にドラッグしてみましょう。

 
サンプラーとしてのSERUM
「ベースはエース」で紹介した同じ方法で、どのようなサンプルからでもウェーブテーブルは作成、“WT POS”ノブからサウンドの変化を楽しむことができます。例えば、ウェーブテーブルを作成したあとで、

LFO 1のMODEを“ENV”に設定、オシレーターのWT PosノブにLFO 1をドラッグ&ドロップでアサインします。次に、LFO 1シェイプの真ん中上部の点を、右上までドラッグして、右上向きのノコギリ・シェイプを作ります。この状態で、MIDIキーボードや、バーチャルキーボードを演奏することで、スムーズにウェーブテーブルのサウンドの変化をチェックできるでしょう。変化の具合をじっくりと確認したい場合には、LFO 1の“Rate”ノブをBar(1小節)など長めに調整してみましょう。


即戦力サウンド/プリセットと、これらの優れた操作性により、大ヒット音源となったSERUM、ぜひお試しください!
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