SONICWIRE

MOBIUS FINAL FANTASY オリジナル・サウンドトラック発売記念! スクウェア・エニックスのコンポーザー鈴木光人 氏の「ALBION ONE」インタビューWEB公開!

2016年2月26日 22:30 by T

ナンバリング「ファイナルファンタジー」の社内開発チームが手がける、かつてないクオリティのスマートフォン向けRPG「MOBIUS FINAL FANTASY」(メビウス ファイナルファンタジー)。

そのオリジナル・サウンドトラックの発売を記念し、SONICWIRE 総合カタログ(2016年1月)限定で掲載していた、スクウェア・エニックスのコンポーザー鈴木光人 氏の「ALBION ONE」インタビューをWEB公開します!

さらにオリジナル・サウンドトラックの制作過程を中心とした特別インタビューを近日公開しますので、どうぞお楽しみに!


ALBION ONE GUI

音の世界観と迫力、そして制作スピードが要求されるスクウェア・エニックスの制作現場。SPITFIRE AUDIO が誇る新世代シネマティック・オーケストラ音源「ALBION ONE」をいち早く活用されている鈴木光人 氏に使用感を伺ってみました。

 

◆普段「ALBION ONE」をどのように使用されていますか?

「ALBION ONE」単体である程度まで曲の形を作ることは可能なんですけど、現状では僕が今まで使っていた音源に「ALBION ONE」をプラスするような使い方が多いです。「ALBION ONE」を作曲の取っ掛かりとして使うことも多いですね。僕の場合ピアノやストリングスから作曲を始めることが多いんですけど、「ALBION ONE」のストリングスはよく使っています。まずは曲の進行というか横軸を作ることが重要なので、「ALBION ONE」のストリングスのロング奏法は特によく使っていますね。

 

◆「ALBION ONE」のサウンドはいかがですか?

作曲のスタート時点の音色って僕にとってはものすごく大事で、弾いてて気持ち良い音色であることと、収録サンプルが音楽的であることが僕にとって重要なんです。そういう意味で「ALBION ONE」のサウンド、特にストリングスの音は気に入ってます。スピッカートが好きで、アタックの感じが凄く良いですよね。あと、全てのストリングスセクションが1つの鍵盤にずらっと並んでいて、取っ付きやすくてすごい楽です。「ALBION ONE」は高域から低域までムラなく綺麗に鳴るのも良いですよね。

 

◆「ALBION ONE」にはサウンドが膨大に収録されていますが、特に面白いと思うのはどれですか?

シンセのパッド系とループですね。他のメーカーでは一切聞けないようなサウンドで、パッドなんて音像が明らかに他のメーカーと違います。鍵盤でパーっと弾くとスピーカーの外側に音像がうわっと広がる感じで、位相がかなり面白いんだと思います。どう弾いても一発で映画のPVのようになる音なんですけど、他の音を足すときに凄い難しそう(笑)まだパッド系とかループの音色を使って制作したことはないんですけど、今後、機会があったら使ってみようかなと思っています。

 

◆どんなゲームで「ALBION ONE」が活躍していますか?

最近だと「MOBIUS FINAL FANTASY」(メビウス ファイナルファンタジー)で使っています。

 

◆ゲーム音楽の制作と「ALBION ONE」の相性はいかがですか?

ものすごい良いと思います。というのも普段の制作では納期的なスピードを要求されることが多くて、DAW(Cubase)上に「ALBION ONE」を立ち上げておけば “筆を選ばずに” 制作を始められてスピーディーです。ただ便利なだけじゃなくて音色も凄く良いですし、ブラウザ上であまり階層を潜らなくても必要な音色が探せるので、道具としてのバランス感も良いですよね。ストリングス、ブラス、ウッドウィンズとかは奏法が多すぎず少なすぎず、厳選されているのも良いです。

 

◆ミキシングを担当されるエンジニアさんとは、どんな感じでやりとりされていますか?

エンジニアさんと色々試している最中で曲によるんですけど、作曲する時とミックスする時で画面上のマイクセッティングを変えてるんです(笑)作曲するときはエアー・スタジオで収録されたアンビエンスが多めに鳴るようにして、エンジニアさんに送るときはクローズ寄りにしています。逆に「この曲の場合はエアー・スタジオのアンビエンスを使おう!」という時もあります。あとこれはゲームならではだと思うんですけど、絵のシーンに合わせてリバーブの深さを変える場合があるので、事前にエンジニアさんとマイクセッティングを決めるようにして、都度変更出来るようにしてます。今風ですよね。

 

◆「ALBION ONE」を使った楽曲制作のアドバイスをぜひ!

「ALBION ONE」って良く言うと楽曲の骨格が凄く作りやすいんですけど、悪く言うと細かなところまで手が回らない場合があるんですよね。例えば「ALBION ONE」のウッドウィンズには複数の楽器がユニゾンされたパッチがあるんですけど、ユニゾンをバラしたい時は他の「ALBION ONE」以外の音源を使わないといけなくて。なので、例えばSPITFIREのBMLシリーズとかハンス・ジマー「HZ01」などの他の音源を併用しながら、「ALBION ONE」で骨格を作ると良いのではないでしょうか?「ALBION ONE」を補完するという意味では、「HZ01」のティンパニはイチオシです(笑)


鈴木光人 氏

スクウェア・エニックス所属のコンポーザー。「The 3rd Birthday」、「FINAL FANTASY XIII-2」、「LIGHTNING RETURNS : FINAL FANTASY XIII」を手がける事により世界的にも注目が集まる。 最新作は「スクールガールストライカーズ」、「MOBIUS FINAL FANTASY」。またゲーム音楽とは違った視点でのソロ作品『IN MY OWN BACKYARD』(2007)、『NEUROVISION』(2009) をiTunesより発表。

http://blog.jp.square-enix.com/music/cm_blog/suzuki/


MOBIUS FINAL FANTASY Original Soundtrack

Qalatta_A4

『MOVIUS FINAL FANTASY』1~3章のゲーム内楽曲を完全収録!

ナンバリング「ファイナルファンタジー」社内開発チームが手掛ける、かつてないクオリティのスマートフォンRPG『MOBIUS FINAL FANTASY』より、ゲーム内BGMを収録したオリジナル・サウンドトラックがスクウェア・エニックスのオフィシャルショップ限定で好評発売中。コンポーザーを務めるのは『LIGHTNING RETURNS: FINAL FANTASY XIII』『FINAL FANTASY XIII-2』『スクールガールストライカーズ』などを担当した鈴木光人。1~3章のゲーム内実装楽曲、全47曲をCD2枚組で収録!

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