「巡音ルカV4X」紹介 第7回 Piapro Studio ver2.0の機能について

先週末行われたトークショー(※アーカイブにて現在も閲覧可能)では、クリプトンからプロデューサーの佐々木と、Piapro Studio開発の黒田、ヤマハのVOCALOID4開発担当の小笠原さん、巡音ルカのボイスアクターの浅川悠さんをお呼びして、製品開発や企画制作に関するアレコレお話や、「巡音ルカV4X」の制作途中の日本語デモソングの先行公開(DYN/BRE/CLE/BRI→調整無し、E.V.E.C.なし、VEL/VIB/若干のPIT→調整あり)、Piapro Studio Ver2.0を用いたデモンストレーションが行われました。

nico_live
※巡音ルカV4Xのスタジオ録音の苦労話をする声優:浅川悠さんの一コマ

 

以前の巡音ルカV4X紹介ブログ記事では、主に巡音ルカV4Xのボイスライブラリに関するお話をさせて頂きましたが、今回はPiapro Studio ver2.0のソフトウェアとしての側面をご紹介したいと思います。

 

ps2

 

 
Piapro Studio Ver2.0の変更点としては下記のとおりです。

  • 新しいVOCALOID APIの組込みによる、VOCALOID4ライブラリ対応
  • 他社製含むVOCALOID4ライブラリの『グロウル機能』対応
  • 他社製含むVOCALOID3/4ライブラリ(複数データベース製品)の『クロスシンセシス機能』対応
  • 他社製含むVOCALOID3/4ライブラリの『ピッチスナップモード機能』の実現
  • 他社製含むVOCALOID3/4ライブラリに『リアルタイム・ピッチレンダリング機能』を搭載(New!)
  • V4Xの専用機能E.V.E.C.の「VoiceColor、VoiceRelease、子音反復」操作機能の搭載
  • V3形式・V4形式の双方に対応したVSQXファイルの読み込み・書き出し機能
  • V4Xの専用機能「VoiceColor、VoiceRelease、子音反復」を直感的に扱うための操作機能の搭載
  • 各種マイナーバグフィクス、操作ボタン類の追加

 

まず、『E.V.E.C.操作機能』についてですが、以前ご紹介した、設定ウィンドウを開いて設定する方法以外にも、Alt(Cmd)キーを押しながらクリックすることですばやくVoice Color/Voice Releaseを切り替えることができるなど、作業効率向上のためのしくみも盛り込みました。また、複数のノートを選択して同時に設定を変更することも可能です。

『グロウル機能』『クロスシンセシス機能』については、これまでのパラメータトラック同様、オートメーションカーブを自由に編集することできめ細かなコントロールが可能です。

『ピッチスナップモード機能』についても、通常のパラメータトラックと同様、「任意の位置(時刻)」でのピッチスナップ ON/OFFが可能となっています。これにより、フレーズの終わりだけ機械的なケロケロボイスにする、といったこともできます。

もうひとつ、『リアルタイム・ピッチレンダリング機能』についてご紹介します。
VOCALOID4エンジンに加わった「ピッチ推移を計算・取得する機能」により、ピアノロール上のノート列が、実際にはどのようなピッチ(音程)のカーブを描いて発声されるか、画面上で表示することが可能になりました。

pitch

これは、Piapro Studio ver2.0では「ピッチ推移を計算・取得する機能」を応用し、独自機能として、通常の編集操作(ノートの追加・移動・削除やノートパラメータ/ビブラートの修正、PIT/PBSなどオートメーションカーブの編集など)に応じて「自動的に」ピッチカーブが更新・表示される機構を盛り込みました。これにより、たとえばループ再生させながらベンドやポルタメントの値を変えてみてその効果を見る、など、耳だけでは捕らえにくかった編集効果が一目瞭然となります。この機能は、巡音ルカV4Xのみならず、初音ミクやKAITO、MEIKOなどのV3製品の調声作業を強力にサポートすることでしょう。

また、皆さん気になるポイントと思われるのが、『Piapro Studio ver1.x(V3)と、ver2.0(V4)のパフォーマンスの違い』ではないでしょうか。V4エンジンの仕様上、またE.V.E.C.使用時の音素増加分など、カタログ上はCPU負荷やメモリ使用量はやや大きくなっているのですが、VODALOID4固有の機能を使った場合でも、体感として特に動作が重くなったという印象はありません。こちらについては、Piapro Studio側でも引き続き検証し、アップデートを行っていく予定です。

最後になりましたが、巡音ルカV4Xのリリース日につきまして、予定より遅くなってしまいまして大変恐縮ですが、2015年3月19日に決定を致しました。本ブログもリリースまで公開を続けますので、どうぞよろしくお願い致します。

 

巡音ルカV4X企画制作担当:佐々木 渉(wat)