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Sound On Sound誌(英国)に、『HATSUNE MIKU V3 ENGLISH』のレビューが掲載されました。

2014年3月20日 16:23 by T

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Sound On Sound誌(UK)に、『HATSUNE MIKU V3 ENGLISH』のレビューが掲載されました。レビューの日本語訳は「続きを読む」にてご覧ください!

Sound On Sound誌(UK)レビュー内容(日本語)

「Hatsune Miku」とはヤマハ株式会社のVocaloid 3エンジンを使用して歌うことができる架空の16歳の少女のことである。Vocaloid をよく知らない人のために説明しておこう。Vocaloid とは、ユーザーがピアノロール上でノートを作成でき、作成したノートにバーチャルボーカリストを割り当てビブラートのように自然なアーティキュレーションを加えることのできるシンセサイザーのようなものである。

「Hatsune Miku」はVocaloid 3が搭載されているが、ユーザーフレンドリーでありDAW 上でplug-in として使用することができ、”Piapro Studio” VSTi を通じてユーザーは「Hatsune Miku」に接続することができる。実際のところ、PreSonus Studio One DAW が製品に同梱されているのでPiapro Studioを使用するのに適している。

Studio One上で、Piapro Studio は、”instrument” として表示されるが、選択されると他の典型的なplug-in エフェクトと同様にPiapro Studio 自身のウィンドウ内で立ち上がる。そこからは、単にPiapro Studio 内で新しいVocaloid 3 Track を作成、リージョンの作成をしてからピアノロール上でノートを入力するといったシンプルものになっている。まさにPiapro Studioは外観と操作感覚が実にピアノロール環境に似ており、熟練したDAWユーザーたちにとって慣れ親しみのあるものとなるであろう。

インターフェースの左側には、一連の歌唱スタイルボタンがあり、各ボタンをクリックするとそれぞれのオートメーショントラックが開く。ユーザーは、ノートに対して描きたい場所にカーブを描く必要がある。例えば、強弱を付けるトラックではボーカルのレベルは、ノートが進行するにつれて上昇するように、ノートの最初からペンツールを使用して上方に描くことができる。他に選択可能な歌唱スタイルとしては、気息音、速度、鮮明度、口の開き具合、性別、ポルタメントのタイミング、ピッチ、ピッチの変化量の調整などがある。

歌唱スタイルをうまく使いこなすには、少々練習が必要だが大体を理解することができてそれほど苦労すること無く人間っぽい音を出せることができるのは驚きである。多くの選択可能な編集機能があるにも関わらず、Piapro Studioの画面は極めてシンプルに見えるが、それは編集が直感的な操作に感じられるようにデザインされているからである。スケール上でノートをドラッグして上下左右に動かすことができ、ダブルクリックするとピッチ、強弱(歌詞が入力されていると)発音が調整されるページが表示される。一度トラックが形になってくると、トラックを複写し、所要箇所にノートをドラックすることにより複数和音が作成される。

結局の所は、どんなに歌唱スタイルが追加されようとも「Hatsune Miku」は常に少々電子的な音がするがそんなことは問題ではないであろう。多くのPopミュージックの製作者は生のボーカルをAuto-Tune のようなツールを使用してわざと電子的な音に加工していることを考えれば「Hatsune Miku」は特定のPopミュージックには最適といえるであろう。
 日本では、「Hatsune Miku」のユーザーたちは アニメーションのキャラクターがステージ上で生のミュージシャンの演奏で歌うといった目を見張るようなショーを作り上げるまでになっている。これらのショーは、YouTube で視聴可能でありVirtual reality 好きでPiapro Studioに興味がある人にとって興味深いものであろう。

一般的に言えば、「Hatsune Miku」は、融通が利く音声合成ツールでありダンスやエレクトロニック音楽の制作者で少々人間的な要素、または少しロボット的な要素を追加してみたいと考えている人ならば興味をそそるものであると言える。

※ レビューの英文はクリプトンWEBサイトの「雑誌レビュー/アワード」ページでご覧頂けます。