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[NAMM2014] 社長レポート前半!

2014年2月3日 15:45 by T

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世界最大の楽器の祭典『NAMM Show』が、今年も2014年1月23日(木)〜26日(日)まで、米国カリフォルニア州アナハイムで開催されました。このショーは、楽器の見本市として、世界中から楽器メーカーとバイヤーが集結します。クラリネットやバイオリンの様なクラシック楽器から、最新の楽器テクノロジーまで、音楽を奏でるありとあらゆる製品が展示され試奏もできます。音楽好きには本当に熱いそんなNAMM会場より、今年も現場レポートをお送りします。



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こちらの楽器は以前のNAMMレポートでも紹介したかと思いますが、音楽を奏でる機能性が素晴らしいためもう一度紹介いたします。Continuum Fingerboardという名のこちらの楽器は、鍵盤楽器の白鍵と黒鍵の境目を無くし、等間隔に音階を並べたデザインの”鍵盤楽器”です。鍵盤同士の境目はシームレスに繋がっているため、グリッサンドが大変し易いです。また鍵盤を揺らすことでビブラートの深さも思いのままです。鍵盤の上下は各種パラメータがアサインできるよう設計されている様です。ストッキング地のような手触りで、鍵盤の押し込みは案外深いです。この辺の人間が気持よく弾けるチューニングには相当時間がかかったものと思われます。


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こちらは昨年のSXSWレポートでも紹介した、ROLIという新しい鍵盤楽器です。上で説明したContinuum Fingerboardと同様の発想ですが、鍵盤楽器の白鍵と黒鍵の壁を取り除き、音程をシームレスに移動して演奏できることを目指しているようです。こちらは鍵盤の素材が柔らかなラバーとなっており、手触り感が優しいです。


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QRSというピアノメーカーのブースに突如として現れた、360度全方位対応鍵盤楽器Piano Arc!292鍵盤!この楽器は世界にただひとつしかありませんが、希望があれば同じものを作って販売してくれるようです。


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パッチ式アナログシンセのメーカーが共同で軒を並べるブースが壮観です。Makersムーブメントの影響でしょうか、近年この様なDIY系ハードウエアメーカーの出展が増えているように思います。しかも、比較的若い出展者が多いように思います。

KOMA Elektronik (Berlin, Germany)
Electro Faustus (Patchogue, New York, USA)
4ms Company (Portland, Oregon, USA)
The Harvestman (Seattle, Washington, USA)
Make Noise (Asheville, North Carolina, USA)
WMD
Snazzy FX
Hexinverter
stg soundlabs
SSF
Enclave
f(h)
Verbos Electronics


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Critter & Guitariというメーカーがとてもかわいいガジェットを出していたのでご紹介。アルミのトップパネルと木で出来た筐体というゆるさがツボです。シンセの鍵盤が木の丸ボタンというのもまたツボです。楽器のシンセサイザーと映像のシンセサイザーを出展してました。


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Murmuxというペダルシンセ。ツイード柄のボディと木のペダルがアンティークですが、これでも2014年の新作です。Moog Taurusの様なアナログ回路のぶっとい低音。ひとつひとつ手作りで納期かかるようです。


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英国の老舗メーカーStylophoneの製品ブース。ローテクでオモチャっぽいデザインとサウンドは昔から変わりません。左はシンセ、右はドラムマシン。多分2つとも初めて見るんだけど新製品かな?


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吉川さん率いる日本発シリコンバレーのベンチャーMiseluのブースを発見。いまはタブレットに接続するモバイルキーボードを開発しているようです。写真はAuturiaのiMiniを接続した状態です。また中央の七色に光るバーは取り外し可能になっていて、手軽に機能拡張できる様です。写真は、浜松のキッコサウンド社が開発したMIDIコントローラー


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Big Fish Audioブース社では、『初音ミクV3 English』のデモを行っていただきました。


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意外と凄いものを見つけました。こちらのAeroDrumsは、ドラムのサウンドを奏でる楽器なのですが、肝心のドラムがありません。ドラムのサウンドはパソコンから再生されます。ドラムの音を発音するタイミングは、ご覧の通りドラムスティックを振るミュージシャンが行い、画像認識によりパソコンのドラム音源を制御します。この仕組みは、XBoxのKinectだったりゲーム制作に使うモーションキャプチャーシステムと同様なんですが、楽器の世界に応用が来たというところがすごいなあと思います。


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そうかと思えば、こちらは冷戦時代の無線機の様なルックスですが、れっきとした2014年の新製品です。Tree Audio社の真空管内蔵ミキサー。


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Incident社のギターを練習するためのギター。ボディにiPhoneが組み込めるようになっていて、iPhoneのアプリと連動してギターの指板が光り、押さえるべき場所を教えてくれます。従来のTAB譜と指板を行ったり来たりする練習法に比べ、とても効率的に練習できるような気がしますが・・・誰かトライしてみませんか!?


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デカいエレキとアコギ。人寄せでしかないブツですが、ちゃんとチューニングされ音が出るところまでやるのがNAMM流(笑)。Bridge Craftというメーカーのブースにて。


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こちらは巨大なバンドネオン。オブジェとして作られたもので残念ながら音は出ません。ハーモニカなどリード楽器の老舗Hohnerのブースにて。


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こういう感じの人を10分に一回見かけます。あと、来場者のタトゥー率の高さはすごいです。


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お巡りさん、アメコミの中から出てきた様なコスプレのロックバンドが通りすがりのご婦人を襲ってますw 犯人はこの人→ https://www.facebook.com/Idsfa


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人だかりが出来ているブースがあるなあと覗いたら、Bernard Purdieがドラムを叩いてました!有名ミュージシャンのセッションに出会えるのもNAMMの楽しみ。


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FoderaブースにてVictor Wootenのギグ。その他、Samsungや幾つかのブースでも彼のデモ演奏を聞くことができました。

 


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週末にStevie WonderがNAMMにやってきてブース巡りをするというのは毎年の恒例。今年は土曜日にいらっしゃいました。ちなみに今年の日曜日はグラミー受賞式と被っており、著名なアーティストほど日曜日のNAMMに来れなかった様です。それにしても取り巻きスゴイ。


以上、駆け足でお送りしたNAMMレポートいかがでしたか?今日は前半ということでレポートまとめました。残り後半はまたまとまり次第公開したいと思います。後半のNAMMレポートもどうぞお楽しみに!

クリプトン伊藤