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[NAMM2010] 社長レポート 2日目!

2010年1月16日 22:24 by ich

今日もとっても天気が良いです!こんにちは、伊藤です。世界最大の楽器の見本市 「NAMM」会場より、本日もレポートをお届けします。


Vienna Symphonic Library(VSL)社ブース

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音楽の都オーストリアのウィーンから参加したVSL社のブースでは、オーケストラ音源の定番『VIENNA INSTRUMENTS』シリーズのデモンストレーションが行われていました。特にそれら音源を、VSLが独自開発したミキシングホスト環境『VIENNA ENSEMBLE PRO』に立ち上げ、複数のIR(Impulse Responce)を重層した画期的な空間シミュレータ『VIENNA MIR』を用いて、オーケストラ中の個々の楽器の舞台位置&向きを自在にコントロールする様子に、多くの来場者が足を止めて熱心に見入ってました。

また、昨年末のリリースが間に合わなかった合唱団音源『VIENNA CHOIR』は、2月のリリースがほぼ決定したと報告を受けました。日本では、マニュアルの翻訳などの作業があるためリリースはその後からになりますが、何とか3月にはリリー
スできるように頑張ります。


PROJECT SAM社ブース

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“Cinematic Sampling”(≒「情景が浮かぶ様なサンプリング音源」)のポリシーを貫くPROJECT SAM社もNAMMに出展してました。同社の『SYMPHOBIA』を中心に製品のデモを行っておりました。

『SYMPHOBIA』は、オーケストラ風”劇伴”音源として、映像シーンを手軽に”劇的”に変えてくれるサウンド素材が満載されており、「ハリウッドでは相当使われている」と言うことでした。弊社では当初「日本人には大げさすぎるだろ・・」と
いう意見でして・・・赤字覚悟で取り扱いを開始しました。しかしその心配をよそに、実はこの製品案外売れているのです(TrySoundでも試奏できますので気になる方は是非サウンドを聴いてみてください)。PROJECT SAM社では、現在『SYMPHOBIA 2』のレコーディング中ということです。続編も期待しましょう!

PROJECT SAM社では更に、シネマチック音源の西の横綱格のHeaveyOCity社との共同制作も進行中です。PROJECT SAMが重厚なオーケストラとしたら、HeaveyOCity社は『Evolve』に代表される未来感漂う電子的なサウンドが特徴です。この両社がタッグを組む音像世界はどんなものでしょう?製品タイトルなどもまだ未定だそうです。ただ、製品告知のフライヤーには、チェロとガスマスクが描かれてました(謎)。


GARRITAN社ブース

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Gary Garritan氏は今年は欠席。代わりのスタッフがブースでデモ演奏しておりました。ともにARIAエンジンを搭載した『GARRITAN PERSONAL ORCHESTRA (GPO)』とスタインウェイ社公認ピアノ音源『STEINWAY D』が展示され、美しい調べを奏でておりました。


NAMM会場では毎年、見たこともない新しい楽器がお披露目されます。会場で見つけた幾つかをご紹介します。

マカロンの様な打楽器、HAPI DRUM

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内部が空洞になっていて、スリットが入った個所をたたくと陶器を叩いたような澄んだ音がします。スリットの面積が大きい個所は低い音、小さい個所は高い音がして、ちゃんとメロディも奏でられます。音色は神秘的で『HANG DRUM』にも似ています。癒されます。


エイリアンが楽器を作ったらコウなる!? BEAMZ

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一見すると何かの部品の様ですが、これも立派な楽器です。フレームに空いた3つの穴からはビームが照射されていて、それを遮ることで音を出します。と言っても、これ自身に音源が内蔵されているわけではなく、USBケーブルでパソコンに接続して使います。3線のビーム孔が左右のエリアにあるので、合計6つの音源をコントロールできるようです。気になる方はこちらへ www.thebeamz.com


ジョイスティック付きエフェクター

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勢いでシャッターを押したもの。ラジコンのプロモみたいなルックスでカッチョいいです!ジョイスティックを操作して何かと何かのブレンド比を変えられるらしいです。詳しくは、www.dwarfcraft.comまで。


MOOGコーナー

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最後に、商業シンセサイザーの生みの親であり、2005年に惜しまれて他界したモーグ博士の業績が飾られたコーナーをご紹介します(「Museum of Making Music」とありますが、このコーナーだけです)。Moogシンセのプロトタイプから、実際に商品化されたMiniMoogやタウラスなどの名器がずらり!

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(Moogシンセのプロトタイプ)

いまは、Moogクローンのソフトがいっぱい出回っていて、それ的な音を手軽に出すことができて便利になりましたが、本物はやっぱり違うんですよ。何が違うかって、部屋が暖かくなる!。昔私が6畳一間のアパートに住んでいた頃、部屋の真ん中にでーんと置いたMemoryMoogに電気を入れると、北海道の真冬でもストーブ付けなくって済みました。それだけ電力を食う楽器でした。それでいて出せる音がたったの6音しかないんです(笑)。当然、一音辺りに注ぐ電力消費がものすごくデカい、だから音がブ厚い。本物の音は想像以上に全然違うんですね。

思えば、この当時の楽器メーカーはイキイキとしてましたよね。開発した楽器で作られるオンガクが変わるんですから・・・(スティービーワンダーはMoogなしにあり得なかったんじゃないかな)。だから、当時の楽器メーカーの開発者は意気に感じながら日々仕事していたのではと思います。楽器メーカー(もちろん弊社も!)のみなさんには、もう一度当時のことを思い返してほしいですね。


明日からの土日はパブリックディ、一般の市民も大挙して会場を訪れます。明日のレポートもお楽しみに!

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